台湾WHO加盟に支援を

日本台湾医師連合 会長  王 紹英
今年もアジア各地で鳥インフルエンザウイルス感染による新型インフルエンザの死亡者発生のニュースが伝わってきている。今年1月24日に世界保健機関(WHO)が発表した世界統計によると、2003年~08年に鳥インフルエンザウイルスによる感染者はアジアを中心とした世界14カ国において353人が確認された。その内221人が死亡し、60%を超える高い致死率となっている。各国の保健関係者が最も危惧しているのは鳥インフルエンザが変異し、人から人に移るようになり、パンデミック(世界的な大流行)になることである。発生すれば多くの命を奪おうのみならず世界経済に大打撃になることは言うまでもない。
わが国を含め、各国はそれぞれ具体的な行動計画を立ててパンデミックの発生による社会的パニックを防ぐ努力をしている。同時に各国との連携、情報交換およびWHOからの新型インフルエンザに関する情報の提供は不可欠といえる。
「すべての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」とWHO憲章の第一条が謳っているようにWHOは国境・政治体制・宗教・人種等の垣根を超え、人類の健康を守るべきであるにもかかわらず台湾は中国の横暴な阻害により今日までWHOに加盟できない状況が続いている。しかも、2005年に中国とWHOが密かに交わした「国際保健規則(IHR)」の備忘録によると、台湾はWHOから直接情報を受け取ることができず、中国を通して受けるしかない。WHOの自己矛盾と人権無視としか言う用がない。
中国からのSARS飛び火の騒ぎに続き、昨年にはタイから輸出された汚染ベビーコーンの問題が発生した。中国はWHOからの情報を台湾に即伝えるべきであったが、台湾が受け取ったのは10日遅れた役立たずの情報でした。SARSの隠蔽から今回の毒ギョウザ事件に一貫しているのが中国の不誠実な体質である。
このように中国の不義に満ちた意図的な策謀による実害が最小限に抑えられたのは台湾医療関係者の努力による。しかし、世界から孤立した台湾一国の努力は自ずと限界がある。WHOから排除されている台湾はすなわち世界防疫体制の大きな抜け穴であることは明白である。
日本と台湾の両国民の往来も年間250万人を超え、台湾を訪れる観光客の3人に1人が日本人であることを考えれば台湾に発生した広域伝染病を日本に広がらないことは大変困難である。台湾にての防疫作戦はすなわち日本の域外防疫作戦でも言える。
医療で世界に貢献できる、しようとしている台湾をWHOに加盟させ、世界の防疫体制にきちんと組み込めることは、人道的な立場からもわが国の国民を守る見地からも推進すべきである。
2300万の台湾人の悲願である台湾WHO加盟に耳を傾け、よき友人として支持してくださることを日本国民に呼びかけたい。
2008-09-17 21:43
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